2015年11月23日月曜日

11/16 ビブリオバトルレポート@信大工学部図書館

ビブリオバトル信州の村上です。
10月にあった怒涛のビブリオバトル連続開催の日々を乗り越え、11月がやってきました。
大会出場を賭けた熱いバトルも楽しいですが、そうでないバトルものんびりと楽しいものです。

というわけで今回は、10月16日に信大の工学部図書館で行われたつきいちビブリオバトルのレポートです。
今回は発表者がなんと6人もいたため、3人ずつに分かれて2回バトルを行いました。

                    

① 大庭英子 『ひとり暮らしのかんたんレシピ』

トップバッターは今回初参加となる工学部の原田さん。
原田さんによると、普段自炊をする女子学生が77%なのに対し、男子学生は10%とかなり低くなるそうです。
そこで紹介してくれたのがこの本です…工学部では料理本とであうことがとても多いですね笑。
かんたんレシピだけでなく、必要な調理器具やどんな食器が合うのかなども紹介されています。
料理をしたことがない人にはありがたい、基本の”き”から教えてもらえそうです。


                    

② 山本弘 『アイの物語』

次鋒を務めてくれたのは、紹介は今年の夏以来久々の池田さんです。
山本さんと言えばビブリオバトルが登場するミステリーも書いておられますが今回はSFです。
池田さんはこの作品中に登場するロボットの「すべての人は認知症」というセリフが印象に残ったそうです。
感情と理性を持ち合わせる人間と、理性しか持たないロボットが触れ合った結果なぜこのセリフが生まれてきたのか…。
人間を客観的な目線で描いたSFは、私たち人間はどういう生き物なのか見つめ直させてくれるのでいいですね。


                    

③ 斉藤環 『承認をめぐる病』

1回目のバトルの最後はわたくし村上による紹介です。
この本は、「今の若者にとって働くことと承認は昔以上に重要な結びつきをしているのではないか」という問いから出発して書かれた本です。
周りで就活している同期の「就職できなかったら終わり」という言葉からは、食べていけないという不安以上に、社会的に定まっていないことへの不安があるのではないかと感じます。
どうして承認の重要度が増しているのか、一緒に分析していけるのが楽しいです。


                    

以上3人による紹介で第1回目のチャンプ本に選ばれたのは…

大庭英子 『ひとり暮らしのかんたんレシピ』 でした!

工学部では料理本がよく出てくるし、しかも強いんですよね。
レシピだけの紹介にとどまらないところが心を掴むのでしょうか?

続いては第2回のバトルです!

                    

① Jeff Potter 『Cooking for Geeks』

最初の発表者はいつもおなじみの原さん、今回2回目の料理本です。
Geeksというのはいわゆる理系オタクのことで、料理を科学と捉えている人への料理指南書です。
その中身は、肉を焼くのに最適な温度はどれくらいか、メレンゲを作るボウルの材質は何が適するか…など。
まさに理系オタク・マニア向けの本といった内容で、普通の料理本とは一味違います笑。
しかし、この料理本を見てきちんと一品料理ができるのか…気になります!



                    

② 清水亮 『文系でも知っておきたいプログラミングとプログラマーのこと』

続いては毎度学生を送り込んでくれる某研究室から来てくれた、河合さんの紹介です。
持ってきてくれたのは就職が決まった会社から読むように言われた本です。
プログラマーの生態などが紹介されていますが、工学部所属の河合さんは「偏ってるなあ」「共感できるなあ」など色々感想を持って読んだそうです。
そして「今は共感できない部分も就職したらわかっちゃうのかなあ」と考えたりもしたり…。
著者の清水さん自身がプログラマーであり、文系の人にもわかってほしいという気持ちが感じられる、そんな本でした!


                   

③ 嶋中雄二 『先読み!景気循環入門』

2回戦最後の紹介者は10月の地区予選にも参加してくださった浅野さん。
紹介してくれたのは自分の畑とは違うであろう景気循環論を扱った本です。
世の中のサイクルがなぜ起こるのかを、現実に存在するサイクルを分析することで解き明かしていきます。
電力使用量と経済発展の関係や、景気変動と天候の関係などさまざまなコンテンツが2,3ページくらいで紹介されています。
高校で習った景気循環の波のお話がピンとこなかった…そういう方でも実例を見れば「なるほど!」と納得できそうです。


                    

以上3人による紹介で第2回目のチャンプに選ばれたのは…

嶋中雄二 『景気循環入門』 でした!

景気循環という難しそうな内容を取り扱っていそうですが、
入門書ということで誰にでもわかりやすい事例などを取り扱ってるところがポイントでしたかね。
私も実際に読んでみたくなりました!

                    

今回は6人ものバトラーが集まり、普段より大盛り上がりなつきいちになりました。
地区予選や地区決戦で興味を持った人が来てくれるようになるととてもうれしいですね。
12月もつきいちは開催予定とのことなので、情報が出てくるのをお待ちください!

(投票結果の写真を撮るのを失念していました >_<; )

以上、村上によるビブリオバトルレポートでした!

2015年10月30日金曜日

全国大学ビブリオバトル2015 中部地区決戦まであと2日です!

いよいよ2日後に迫ってきました、全国大学ビブリオバトル2015の中部地区決戦!
今年は中央図書館のセミナー室をお借りして開催することとなりました。
当日は信大松本キャンパスの学園祭である「銀嶺祭」も開催されておりますので、
学園祭を楽しむついでにビブリオバトルもぜひのぞいてみてくださいね!


観戦に来られる方の中には、学外から来られる方もいらっしゃるでしょう。
学外の方が図書館に入館される際は入り口のカウンターで手続きが必要になりますのでご注意ください。
「ビブリオバトルを観戦に来ました」と申し付けていただくとスムーズに入館できます!

なお、中央図書館は大学西門を入って少し直進し、左側に見えるガラス張りの建物です。
松本市外から観戦に来られる方は、松本電鉄バスに乗り、「大学西門」の停留所で下車するのが最短の
アクセスです。

画像にある通り、観戦するのに参加費や持ち物は必要ないのでお気軽にご参加ください!
あなたの1票が、中部地区の代表者を決めちゃいますよ~。


・・・ところで、「全国大学ビブリオバトル2015」ってなに?という方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方のために、全国大学ビブリオバトルについてご説明いたします。

全国大学ビブリオバトルとは、2010年から続く大学生のためのビブリオバトルの祭典です。
これまでに合計2432人もの学生が本を紹介している、ビッグなイベントなのです。
もっと全国大学ビブリオバトルについて知りたい方は、全国大学ビブリオバトルの公式サイトをご覧ください。

全国大学ビブリオバトル公式サイト:http://zenkoku15.bibliobattle.jp/

たくさんの方のご参加をお待ちしています!

2015年10月27日火曜日

10/20 ビブリオバトルレポート@関ゼミ、井上ゼミ

みなさんこんにちは。ビブリオバトル信州です。
11月1日の全国大学ビブリオバトル地区決戦に向け、信大のあちこちで予選会が開催されていました。
今回は、10月20日に信大経済学部の関ゼミと井上ゼミで行われたバトルの様子をお届けします。
関ゼミでのバトルについては、サークルメンバーが参加することができなかったため、
紹介された本の書名のみお届けします。

                    

【関ゼミ予選会】

まずは関ゼミで行われたバトルでの紹介本です。

① 朴槿恵 『絶望は私を鍛え、希望は私を動かす』



② 元川悦子 『勝利の街に響け凱歌』



③ 夏川草介 『神様のカルテ0』



④ 角田光代 『八日目の蝉』



⑤ 桑田真澄 『心の野球』




チャンプ本は、角田光代 『八日目の蝉』 でした!

                    

【井上ゼミ予選会】

続いては、井上ゼミで行われたバトルの様子をお届けします。

① 架神恭介・辰巳一世 『完全教祖マニュアル』

一冊目から強烈なタイトルの本が出て参りました。
この本では教祖をビジネスととらえ、そのなり方や信者の増やし方、奇跡の起こし方を徹底怪異解説していきます。
おそらく今までなかったであろう宗教を作る側の視点から書かれた本というところがおもしろいです。



② 飲茶 『史上最強の哲学入門』

宗教と哲学について考えることが好きというT.Nさんが紹介してくれました。
哲学は、哲学者たちの戦いによってどんどんと進化してきました。
この本を読むとそんな戦いの歴史を知ることができます。



③ 小林泰三 『アリス殺し』

推理小説を読むのが好きというA.Hさんが紹介してくれました。
展開を予想しながら読み進めていたら、みごとミスリードにはまってしまい悔しい思いをしたそうです。
夢と現実を行き来しながら、ハンプティダンプティを殺した犯人を捜します。



④ KANA 『女の友情と筋肉』

N.Kさんが紹介してくれたのは、ツイ4という4コマ漫画配信のTwitterアカウントで連載されている一作品です。
見た目はマッスル、しかし女子力は高い女の子(?)たちの日常を面白おかしく描きます。
このギャップがツボにはまってしまいそうです!



⑤ 伊坂幸太郎 『グラスホッパー』

T.Hさんが紹介してくれたのは、公開が間近に迫った伊坂幸太郎の『グラスホッパー』です。
元教師の鈴木、二人の殺し屋鯨と蝉、3人が出会うときどんな物語が紡がれるのでしょうか。
伊坂さんの作品は何回も見かけていますが、紹介される作品が毎回違うのもおもしろいです!



⑥ 高校野球ドットコム編集部 『野球ノートに書いた甲子園』

最後の紹介者のK.Gさんは、「青春」+「野球」=「甲子園」としてこの本を紹介してくれました。
高校球児たちは試合を終えるたび、反省をノートに書きつづります。
この本はそんな部活ノートを取材した一冊で、高校ごとに違うノートを楽しむことができます。


以上6名によるバトルでチャンプ本に選ばれたのは、
架神恭介・辰巳一世 『完全教祖マニュアル』 でした!

                    

普段関わるバトルはイベント形式のため知らない人と交流することが多いですが、
ゼミという仲間内で行うとさらにわいわい盛り上がることができていいですね。

以上で関ゼミ・井上ゼミでのビブリオバトルレポートを終わります。ありがとうございました!

2015年10月26日月曜日

10/17 ビブリオバトルレポート@光芒祭



こんにちは。原です。
今回は1017日に光芒祭にて行われたビブリオバトルのレポートを私、原がお届けします。
光芒 祭とは信州大学の長野市工学部キャンパスにて行われる、信州大学工学部の文化祭のことで、当日はオープンキャンパスも行われます。この光芒祭では去年度か ら、工学部図書館の企画としてビブリオバトルが行われており、光芒祭でのビブリオバトルの開催は今年度で2回目です。
当日のビブリオバトルでは20名前後の方が来てくださいました。今回の発表者は4人でした。

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V・S・ラマチャンドラン『脳のなかの幽霊』

トップバッターは私が務めました。この本は「ぼくらの学校」でのビブリオバトルで紹介した本です。この本は人の脳が起こす不思議な現象について書かれた本で、脳科学ブームの走りとなった本の一つです。脳が引き起こす奇妙な神経症や精神病を題材に、人間の脳の不思議さの一端に触れることができる本です。




  太宰治『斜陽

二番手はビブリオバトル信州の村上さん。
紹介してくださったのは太宰治の『斜陽』。
舞台は戦後、華族制度が廃止された直後の日本です。
この小説で描かれているのは元貴族の没落という滅びの物語です。
滅びの中にある美しさを感じさせる作品だそうです。



  KAZUYA『日本人が知っておくべき戦争の話』

三番手は某研究室のNさん。
アヘン戦争から太平洋戦争までの日本が関わった戦争の話が書かれた本で、
歴史の教科書に書かれていない戦争の話が書かれているそうです。
戦後70年の今年にこの本を読んで政治を身近に感じるのもよいかもしれません。





東野圭吾『探偵ガリレオ』

トリは工学部のつきいちビブリオバトルにいつも参加してくださっている浅野さんが務めてくださいました。
紹介してくださったのは東野圭吾氏の『探偵ガリレオ』。
これは福山雅治さん主演でドラマ化もされている作品ですね。
浅野さんは「爆ぜる」という話がおすすめだそうです。





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 以上の4冊の中からチャンプ本に選ばれたのは、

VS・ラマチャンドラン『脳のなかの幽霊』でした。



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去年の光芒祭と同じく多くの方がビブリオバトルに来てくださり、活気のあるバトルでした。
光芒祭でのビブリオバトルがこれからも続いていけばよいなと思います。

以上で光芒祭でのビブリオバトルのレポートを終わらせていただきます。ありがとうございました。

2015年10月16日金曜日

10/3 ビブリオバトルレポート@ぼくらの学校(後半)

※このレポートはぼくらの学校で行われたビブリオバトルの後半戦のものです。

それでは、ぼくらの学校で行われたビブリオバトルの後半戦の様子をお届けです!

                    

① 福井晴敏 『終戦のローレライ(1)』

後半戦最初の発表者はサークルメンバーの小田くん。
小田くんもまつもと一箱古本市に引き続き、福井さんの作品を紹介してくれました。
何度かバトルを一緒にやっているとだんだんその人の好みが自分の中で明確になっていきますよね。
時は太平洋戦争中、ナチスドイツが降伏してしまい危機的な状況にある日本が舞台です。
今の日本の状況を変えることができる切り札が、特殊兵器「ローレライ」です。
しかし、ドイツの潜水艦がローレライを日本に運んでいたところ、潜水艦はアメリカの攻撃を受け、ローレライは五島列島の沖に取り残されてしまいます。
日本軍はローレライを回収し、危機的な状況を打破することができるのか!?


                    

② 池上正樹 『大人のひきこもり』

続いては僕、村上による紹介です。
みなさんはひきこもりについてどのような印象を持っているでしょうか。
ひきこもりは甘えという意見もあるでしょうが、本人の甘えではなく、
社会のしくみによってひきこもりになってしまっている人たちの現状があります。
ひきこもりやニートの自立支援は15歳から39歳が対象となっていることがほとんどで、
40歳以上になると誰からも支援を受けることなく自分で仕事を見つけ、生活していかなければなりません。
失業や退職によって一度レールから外れると、戻ることは難しいし誰にも頼ることができない。
そんな支援のはざまに沈んでしまっている「大人のひきこもり」の姿がこの本からは見えてきます。


                    

③ 池川明 『生まれた意味を知れば、人は一瞬で変われる』

最後は、オイスカという公共財団法人の長野県支部から田近さんが参戦してくれました。
ぼくらの学校では間伐材で作った積み木の広場をやっておられました。
紹介されたのは、産婦人科医の池川さんによって書かれた1冊。
胎内記憶や前世記憶といった言葉を聞いたことがある方は少なくないのではないでしょうか。
この本は子どもたちがたどった記憶をまとめたものです。
「どうして自分は生まれてきたんだろう」「どうして今いきているのが辛いんだろう」
その答え・ヒントは胎内記憶にあります。
人生に迷った時、自分の生に理由を見つけることができれば生きる希望が湧いてきそうです。


                    

以上3人による発表でみごとチャンプ本に選ばれたのは・・・

池上正樹 『大人のひきこもり』 でした!

ひきこもりという言葉は今までテレビや新聞で表面的に知識を得ただけだったので、
この本を読んでみて自分の中の考え方が広がりました。
社会制度に関わることも書いてあるのでいつか自分が直面することもあるかもしれません。
おススメの1冊です。

                    

前回のまつもと一箱古本市に引き続き、大学外でビブリオバトルを開催させていただきました。
私たちが開催するバトルは学生だけが参加者となっているため、今回学生以外の方たちに見ていただくことでビブリオバトルの知名度が少しだけアップしたのではないかと思います。

そしてもう一点。私たちは普段は図書館でバトルを開催していますが、日常的に利用している方でないと図書館への入り方がわからなかったり、入りにくいと感じる方がおられるようです。
そういった方々にビブリオバトルを知ってもらうためにも、学外に出てビブリオバトルを開催するというのは大切だと感じました。

得るものの多いイベントとなって良かったです。
以上でビブリオバトルレポートを終わらせていただきます!(村上)

10/3 ビブリオバトルレポート@ぼくらの学校(前半)

みなさんこんにちは!ビブリオバトル信州の村上です。
キャンパスに植わる木々の葉がどんどん色付いてきました。
赤や黄色に染まっていく景色を見ると秋を実感しますよね!(気温的には冬の訪れを感じさせますが…)

秋と言えば文化の季節であり、中学校や高校に限らずあちこちで文化祭が催されております。
そのうちの一つ、「ぼくらの学校」というイベントがあがたの森で開催されておりました。
「ぼくらの学校」とは、松本市にある様々な市民活動団体の方たちにとっての文化祭のようなもので、
各団体の成果報告や交流などが行われる場です。

ビブリオバトル信州はぼくらの学校でパフォーマンスとしてバトルを開催させていただきました!
今回はその様子をレポートでお届けしますよ~。
発表者はサークルメンバーの4人と、市民団体の中から参加してくださった2人の方の計6人。
前半と後半に分かれてバトルを行いました。
それでは、バトルの前半戦のレポートをどうぞ!

                    

① 森見登美彦 『新釈 走れメロス』

トップバッターはサークルメンバーの近藤さん。
前回まつもと一箱古本市で紹介してくださった本に続き、森見さんの『新釈 走れメロス』を紹介です。
「走れメロス」は誰もが一度は耳にしたことのある作品ではないでしょうか。
この本は森見さんが走れメロスを現代版にアレンジしたもので、部隊が京都の大学に置き換わっています。
しかし、原作と違い主人公が身代わりになった友人を見捨ててしまいます。
そしてその友人も「あいつは帰ってきませんよ」とキッパリ言い切ってしまうのだとか!
森見さんワールドが全開の「走れメロス」、どんな物語になっているかとても気になります。


                    

② V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー 『脳のなかの幽霊』

続いての発表者は、今回も長野市から駆けつけてくれたメンバーの原さん。
昨今の脳科学ブームにのっとって『脳のなかの幽霊』を紹介してくれました。
脳科学者である著者は脳の働きを研究するうえでさまざまなケースに接してきました。
切断されてなくなっているはずなのに、まだ自分の手足があると感じている人。
それとは逆(?)に、自分の体の一部が自分のものではなく他人のものだと主張する人など…。
患者たちの奇妙な症状をもとに脳のしくみや働きを解き明かしていきます。


                    

③ 大野裕之 『チャップリンとヒトラー』

前半戦最後の発表者は、ぼくらの学校で生徒会長(!)を務めている平島さん。
「実はまだ読んでいないんだけど…」と『チャップリンとヒトラー』を紹介してくれました。
喜劇王として知られるチャップリンはナチス体制を風刺するコメディ映画「独裁者」を作ります。
恐ろしい独裁者であったヒトラーは演説の天才でしたが、彼が演説をするたびに聴衆は「独裁者」のことを思い出し笑ってしまいます。
ヒトラーの演説はだんだんと効き目がなくなり、とうとう彼が演説をすることはなくなってしまいました。
平島さんはこの事実をもとに、「戦争はユーモアで駆逐できるのではないか」とおっしゃっていました。
自衛権の議論が盛んな現在、この主張はおもしろいと思いました。
現代に必要なユーモアとはいったい何なのかを考えてみるのもおもしろそうですね!


                    

以上3人による発表でチャンプ本に選ばれたのは・・・

大野裕之 『チャップリンとヒトラー』 でした!

「まだ読んでいないけど・・・」ということで紹介していただきましたが、それもありですよね。
どうしてその本を手に取ったのかを紹介するのは、ビブリオバトルの「人を通して本を知る」にきちんとつながりそうです。
僕自身かなり興味を引かれました。さすが、生徒会長さんですね!

以上で前半戦のレポートはおわりです。
それでは次に、後半戦のレポートにいってみましょー!

2015年10月5日月曜日

9/21 ビブリオバトルレポート@まつもと一箱古本市(GC決定戦)

※このレポートはまつもと一箱古本市で行われたビブリオバトルのGC決定戦のものです。

いよいよ一箱古本市で行われたビブリオバトル最後のレポートとなりました。
午前、午後のバトルで勝ち上がった人同士のバトル、グランドチャンプ(GC)決定戦の様子をお届けです!

GC決定戦は当日最後のバトルということで、紹介する本に縛りは設けず行われました。

                    

① 森見登美彦 『四畳半神話大系』

トップバッターは、午前回を勝ち抜いた近藤さんによる発表からスタートです。
紹介してくれたのは京都の大学が舞台の物語、『四畳半神話大系』。
近藤さんは何度か森見さんの作品を紹介してくださっているので、まさに持ちネタという感じです。
主人公は薔薇色のキャンパスライフに憧れているものの、実りの少ない2年間を終えようとしている「私」。
しかし、どんな生活を送ることができれば薔薇色なのかはわかっていない様子です。
主人公も大学生ですので、同じ大学生の私たちならば共感できる部分が多そうです。
いったいどんな生活が薔薇色なのか、「私」と一緒に模索していくのでしょうか。


                   

② 貴志祐介 『新世界より(上)』

続いての発表者は近藤さんと同じく午前回チャンプに選ばれた村上くん。
初めてビブリオバトルで紹介したという『新世界より』を紹介してくれました。
本のタイトルはドヴォルザーク作曲の交響曲第9番、通称「新世界より」からの引用とのこと。
教育制度の中で将来人類に危険を及ぼすであろう子どもをあらかじめ摘み取るという、
教育というよりは栽培とも呼ぶべき環境の中で育つ子供が主人公です。
いわゆるディストピアものという性格は、午前・午後回で登場した『一九八四年』と似たところがあります。
最後のバトルでもSF本を紹介してくれました。


                    

③ ロバート・クーヴァー 『ユニヴァーサル野球協会』

最後の発表者は、午後回のバトルを勝ち抜いた坪野さん。
紹介してくれたのは『ユニヴァーサル野球協会』。
この本の物語は、ユニヴァーサル野球協会という野球リーグの試合から始まります。
あと少しで完全試合が達成される試合のようすを、固唾をのんで見守る主人公ヘンリー。
しかし、物語が進むことで野球リーグも現在の試合の様子もすべてヘンリーが妄想している非現実のものだと読者は気づかされます。
坪野さんの話術によって、本物の野球の試合を取り扱った作品なのだと思い込んで聞いていました。
ヘンリーが生きる現実世界と、妄想上の非現実の世界がどうつながっていくのか気になるところです。


                    

以上3名による発表でみごとグランドチャンプに選ばれたのは…



ロバート・クーヴァー 『ユニヴァーサル野球協会』 でした!



GC決定戦を勝ち抜いた坪野さんには、まつもと一箱古本市のスタッフさんが作ってくださったメダルが進呈されました。
おめでとうございます!



                    

以上、まつもと一箱古本市で行われたビブリオバトルの様子をお伝えしてきました。
レポートで紹介されている本は、タイトルをクリックすると出版社の紹介ページにリンクされるようになっていますので、気になった本を見つけた方は是非ご活用ください。

まつもと一箱古本市でのビブリオバトルは、今年度初の大学外主催となりました。
松本駅から松本城をつなぐ大きな道路を目の前にしての開催でしたので、かなり多くの方の目に留まったのではないかと思います。
シルバーウィーク中たまたま松本観光に来ていた方が、たまたまビブリオバトルを観戦してくださったということもあり、サークルメンバーとして大変うれしく思いました。

まつもと一箱古本市自体、大変盛り上がったイベントとなったのでまた開催されるとうれしいですね。
以上でレポートを終わらせていただきます。ありがとうございました!

9/21 ビブリオバトルレポート@まつもと一箱古本市(午後回)

※このレポートはまつもと一箱古本市で行われたビブリオバトルの午後回のものです。

まつもと一箱古本市第2回目のビブリオバトルは、一般の方から発表者を募りました。
属性が異なる方同士のバトルでは紹介される本もバリエーションに富む感じがします。
それでは午後回のバトルのレポート、いってみましょう!

                   

① 新城カズマ 『サマー/タイム/トラベラー』

最初の発表者は、なんとはるばる京都から来てくださった岡野さん。
新城さんの描くタイムトラベルSFを紹介してくれました。
この作品のタイムトラベルの特徴は「3秒だけ先の未来に飛ぶことができる」という点でしょう。
高校生の主人公たちは夏休みの間、このタイムトラベルを使った実験に励みます。
実はこの作品、信大のSF研究会による協力のもと書かれたもので、
作中で明言されてはいないらしいですが松本が舞台となっているらしいです!
SFと松本が絡んでくるとは考えていなかったので、松本に住む身としてはぜひ読んでみたいですね。


                    

② ジェイムズ・P・ホーガン 『未来からのホットライン』

続いての発表者は、中央図書館でのバトルに何度か参加してくれた浅谷くん。
大学生になってもう一度読み直してみたという一冊を紹介してくれました。
この作品も時間に関する作品で、60秒前の過去の自分に6文字だけのメッセージを送ることができる機械が登場します。
そのメールが届けば主人公も60秒後には同じメールを過去に送信しなければならないわけですが、
主人公はあえてメールを送信しないという実験を行い…。
発表を聞いていた私の頭にはシュタインズ・ゲートというアニメが思い出されました。
もしかしたらネタ元になっている作品なのかもしれませんね。


                    

③ ジョージ・オーウェル 『一九八四年』

続いては、多くの信大生がお世話になっているであろうカレー屋さん「メーヤウ」から小山さんが参戦してくれました。
紹介してくださったのは、ジョージ・オーウェルの『一九八四年』・・・。
午前回の近藤さんの紹介本とまさかのかぶりが起こりました!
複数の人に紹介させたいと思わせるほど『一九八四年』のインパクトは強いのでしょうね。
紹介本は同じであれど、本の語り方は全く違います。
ビブリオバトル初参加とは思えないほどの見事な紹介をしていただきました!


                    

④ 小松左京 『日本アパッチ族』

最後の紹介者は、松本市内でショットバー「洋酒店醇」を営んでいる坪野さん。
作品の舞台は終戦直後の大阪。
失業したことの罪により捕まってしまった主人公は、自分にかけられた手錠をみてこう思います。「うまそうだな・・・」。
この作品には鉄を食べる人間「アパッチ族」が登場しますが、現実の日本にもくず鉄を集めることで
生活の糧、つまりはご飯にしていた人が存在し、彼らもアパッチ族と呼ばれていたそうです。
鉄を集めることで食べていた人をモデルとし、鉄を実際に食べる人種という発想に至らせたのはおもしろいですよね!


                    

以上4名による発表でチャンプ本に選ばれたのは…

小松左京 『日本アパッチ族』 でした!

この本を紹介してくださった坪野さんは、2年前に丸善松本店にて行われたビブリオバトルにもバトラーとして参加されており、そこでもチャンプ本を獲得されています。
流れるようなプレゼンと言葉の選び方のセンスはぜひ見習いたいところです…!


午後回のレポートは以上にて終了です。
続いては午前回と午後回のチャンプ同士による「グランドチャンプ(GC)決定戦」の様子をお届けします!

9/21 ビブリオバトルレポート@まつもと一箱古本市(午前回)

みなさんこんにちは!ビブリオバトル信州です。
信大松本キャンパスは9月28日から後期日程がスタートしました。
夏休み中のあれこれが遠い出来事のように思われます・・・。

そんなあれこれの一つ、まつもと一箱古本市が9月21日に開催されておりました。
松本では初の取り組みであるにも関わらず、大変にぎわった一日となりました。
今回はまつもと一箱古本市で行われたビブリオバトルの様子を全3回のレポートをお届けです!
古本市はテーマが「SF」とされていたので、ビブリオバトルもそれに沿う形で
紹介本はSF本に限定させていただきました。SF好きの方は必見ですよ!

古本市第1回目のバトルは、ビブリオバトルとはどんなものなのか?ということを
みなさんに知ってもらうために、サークルメンバーオンリーで行われました。

                    

① バリントン・J・ベイリー 『カエアンの聖衣』

トップバッターを務めたのは村上くん。
私たちは服装によって容姿やはたまた心情などを変えています。
スーツを着ると気が引き締まったり、パジャマを着るとおやすみモードになりますよね。
しかし、自分が服を着ることで変わるのではなく、服によって「変えさせられている」のだとしたら…。
衣服が命と意思を持っている、そんなユニークな発想の下で書かれたのが本書です。
はたして人が服を支配するのか、服が人を支配するのか!?


                    

② 宮部みゆき 『蒲生邸事件』

2番手は長野市から馳せ参じてくださった原さん。
ホテル火災に巻き込まれてしまった主人公は突如現れた謎の男に助けられ危機を逃れます。
・・・が、なんと火災から逃れたその先は二・二六事件前夜の東京だった!
なぜ主人公はこの時代に連れてこられたのか?元の世界に戻ることはできるのか?
SFにタイムトリップものは定番ですよね。
原さんは以前から歴史に関連する本を紹介されていましたが、古本市でもSFに歴史を絡めて紹介してくれました!


                    

③ 福井晴敏 『亡国のイージス(上)』

続いては小田くんによる紹介。
国に自分の息子を殺されてしまったイージス艦の艦長と、そこに乗り込んでいたテロリストが結託し、艦を占拠してしまいます。
彼らはイージス艦にミサイルを持ち込み、東京に住む国民を人質にとります。
国家は、国民はもはや守るべき対象ではないのか?
艦を取り戻すために飛び込んでいった仙石は、東京に向けられるミサイルを止めることができるのか!?
「自衛権」について昨今は熱い議論が繰り広げられていますが、そのことにも触れながら紹介してくれました!


                    

④ ジョージ・オーウェル 『一九八四年』

ラストは近藤さんによる紹介。
舞台は1984年のロンドン、恐怖政治による徹底された監視社会。
ある政党に行動から言葉、思想はたまた日記帳の中身まで完璧に把握されている世界です。
主人公のスミスは完全に管理されている体制に疑問を持ち始めます。
そんな彼が伝説的な裏切り者が組織したとされる反政府地下活動に惹かれるようになり…。
ジョージ・オーウェルと言えば私の中では『動物農場』というイメージでしたが、
こんなSF作品も書いていたんですね。一つ発見でした!


                    

以上4名による発表でみごとチャンプ本に選ばれたのは…

バリントン・J・ベイリー『カエアンの聖衣』
ジョージ・オーウェル『一九八四年』 でした!

この2冊で決選投票となりましたが、そこでも得票同数となりダブルチャンプとなりました。


午前回は以上にて終了でした。
初めて街中に繰り出してのバトルとなるのでメンバー一同緊張しっぱなし!
さて、午後回ではどのようなバトルが繰り広げられるのでしょうか!?
続きます!

2015年9月30日水曜日

ブログ書評第33回『「世界征服」は可能か?』


こんにちは。原です。
今回は私が書評を担当します。

今回私が紹介する本は『「世界征服」は可能か?』です。




漫画やアニメ、また特撮ヒーローの世界では、世界征服を目論む組織や人物が登場することがあります。例えば、仮面ライダーで登場するショッカーが世界征服を目論む代表的な組織でしょう。デスノートに登場する夜神月もデスノートを使って世界征服を行おうとしている人物であると言えると思います。

本書では「世界征服が実際に可能なのか」「どのように世界征服を達成すればよいか」「世界征服のメリット・デメリット」「そもそも、世界征服とは何を指すのか」といったことを様々な作品や歴史上の世界征服の野望を持つ組織・人物を例にとり、現実性という視点から検討しています。

世界征服を考察していくうちに、議論は、支配とはなにか、階級・階層とは何か、どのように組織を運営すべきかなどの考察に話が広がり、このあたりの議論は読んでいて非常に面白いです。

題名の「世界征服は可能か?」に対する著者の答えはここでは書かないことにします。気になる方は是非ご一読ください。

世界征服に興味のある方はもちろん、興味のない方にもおすすめの一冊です。