2015年10月5日月曜日

9/21 ビブリオバトルレポート@まつもと一箱古本市(午後回)

※このレポートはまつもと一箱古本市で行われたビブリオバトルの午後回のものです。

まつもと一箱古本市第2回目のビブリオバトルは、一般の方から発表者を募りました。
属性が異なる方同士のバトルでは紹介される本もバリエーションに富む感じがします。
それでは午後回のバトルのレポート、いってみましょう!

                   

① 新城カズマ 『サマー/タイム/トラベラー』

最初の発表者は、なんとはるばる京都から来てくださった岡野さん。
新城さんの描くタイムトラベルSFを紹介してくれました。
この作品のタイムトラベルの特徴は「3秒だけ先の未来に飛ぶことができる」という点でしょう。
高校生の主人公たちは夏休みの間、このタイムトラベルを使った実験に励みます。
実はこの作品、信大のSF研究会による協力のもと書かれたもので、
作中で明言されてはいないらしいですが松本が舞台となっているらしいです!
SFと松本が絡んでくるとは考えていなかったので、松本に住む身としてはぜひ読んでみたいですね。


                    

② ジェイムズ・P・ホーガン 『未来からのホットライン』

続いての発表者は、中央図書館でのバトルに何度か参加してくれた浅谷くん。
大学生になってもう一度読み直してみたという一冊を紹介してくれました。
この作品も時間に関する作品で、60秒前の過去の自分に6文字だけのメッセージを送ることができる機械が登場します。
そのメールが届けば主人公も60秒後には同じメールを過去に送信しなければならないわけですが、
主人公はあえてメールを送信しないという実験を行い…。
発表を聞いていた私の頭にはシュタインズ・ゲートというアニメが思い出されました。
もしかしたらネタ元になっている作品なのかもしれませんね。


                    

③ ジョージ・オーウェル 『一九八四年』

続いては、多くの信大生がお世話になっているであろうカレー屋さん「メーヤウ」から小山さんが参戦してくれました。
紹介してくださったのは、ジョージ・オーウェルの『一九八四年』・・・。
午前回の近藤さんの紹介本とまさかのかぶりが起こりました!
複数の人に紹介させたいと思わせるほど『一九八四年』のインパクトは強いのでしょうね。
紹介本は同じであれど、本の語り方は全く違います。
ビブリオバトル初参加とは思えないほどの見事な紹介をしていただきました!


                    

④ 小松左京 『日本アパッチ族』

最後の紹介者は、松本市内でショットバー「洋酒店醇」を営んでいる坪野さん。
作品の舞台は終戦直後の大阪。
失業したことの罪により捕まってしまった主人公は、自分にかけられた手錠をみてこう思います。「うまそうだな・・・」。
この作品には鉄を食べる人間「アパッチ族」が登場しますが、現実の日本にもくず鉄を集めることで
生活の糧、つまりはご飯にしていた人が存在し、彼らもアパッチ族と呼ばれていたそうです。
鉄を集めることで食べていた人をモデルとし、鉄を実際に食べる人種という発想に至らせたのはおもしろいですよね!


                    

以上4名による発表でチャンプ本に選ばれたのは…

小松左京 『日本アパッチ族』 でした!

この本を紹介してくださった坪野さんは、2年前に丸善松本店にて行われたビブリオバトルにもバトラーとして参加されており、そこでもチャンプ本を獲得されています。
流れるようなプレゼンと言葉の選び方のセンスはぜひ見習いたいところです…!


午後回のレポートは以上にて終了です。
続いては午前回と午後回のチャンプ同士による「グランドチャンプ(GC)決定戦」の様子をお届けします!

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